やわらかな乳房を優しく吸い上げると、フロリーナはびくりと背をのけぞらせた。
「ンあぁっ…!」
震える白い喉と鎖骨にその翠の瞳を這わせ、 リンは口の両端をくっと上げながら、喉の奥で笑った。
「かわいい、フロリーナ」
その声が聞こえているのか、いないのか、 フロリーナは執拗に乳房を攻めるリンの右手にあわせて 声と身体を震わせることしかできない。 リンは恍惚に目を細め、また行為に没頭した。 くわえ込むように乳房を食み、その舌で巧みに乳首をころがしてやる。 ときに歯をたてて、ときに右手の爪をそっとあてて、
リンはじっくりとフロリーナを味わった。
かたり。
不意に、扉のむこうに物音を聞いた。 野生の動物のようなリンの聴覚であるから、その物音は彼女にのみしか 聞き取れないような遠くの物音であった。 溺れているフロリーナを我に返らせてはいけないと、 彼女はその行為を続けながら物音に耳を澄ませた。 物音は、一番遠い部屋のドアが開いた音であったようだった。 誰かが、階段を降り、遠ざかっていく。 その音が完全に聞こえなくなると、リンはフロリーナの乳房から口を離した。
「そこばっかり、いやぁ…」
フロリーナはこぼれそうな潤んだ瞳をリンに向け、なじった。 リンはその愛らしさにふっと微笑み、フロリーナのすみれ色の髪を撫でてやる。
「ごめんごめん、じゃあ、本番ね」
捕食者の顔で、リンは笑った。
もう物音を聞き分けることもできない、しない。 研ぎ澄まされた獣は、その五感のすべてを目の前の少女に捧げた。
おしまい♪
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